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2013/03 Snowy Owl

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13年3月 シロフクロウ

シロフクロウは北極圏で繁殖し、冬には米国本土まで渡ってくることがある。モンタナのフラッツヘッドバレーはその越冬地で、多い年には盆地全体で30羽以上も飛来。北の食糧事情が良ければ南下する必要がないわけで、ゼロの年もある。今年は1月下旬に15羽ほどいたが、徐々に減っている。

ツンドラから渡ってきたシロフクロウが、モンタナのどんなところにいるかというと、原野ではなく耕作地だ。夏は麦や牧草を育てている、だだっ広いところ。北極圏ではもっぱらレミングを食べている彼らだが、ここではハタネズミを捕食。麦畑にはハタネズミがたくさん生息するうえに、ツンドラと同じように遮蔽物のない平原だから狩に好都合なのだろう。

研究者によると、このあたりに飛来するシロフクロウのほとんどが若い雌。写真の個体もそうだが、羽には黒い縞模様がたくさんある。純白に近い個体は来ないのだという。
春が近づき麦畑からほとんど積雪が消えてしまうと、シロフクロウは良く目立つ。そのことを気にしているかは知らないが、地面に残ったわずかな積雪に舞い降りて休息したりする。目を細めると、笑ったような顔。シロフクロウの見た目の印象は、精悍というよりも、ほのぼのである。

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後日、20年以上にわたりアラスカのバローでシロフクロウの研究を続けているホルト氏(Denver W. Holt / Owl Research Institute)の講演を聴いた。シロフクロウが巣を守ろうとする防衛本能はすさまじいものだという。調査のために巣に近づき、何度もケリをくらい、高価なジャケットに爪で穴を開けられたそうである。また、巣に向ったホッキョクグマに対しつがいで威嚇飛行を繰り返し、クマのルートを変えさせたこともあったという。やはり巣を構えた親は、ほのぼのとばかりしてはいられないのだろう。