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2015/06 Black Bear

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2015年6月 ブラックベア

ブラックベアが鳥の卵や雛を食べるということは、知識としては知っていた。だがこんなふうに、樹洞の中の雛を捕らえるとは、思ってもみなかった。

森の中に響く不穏な、ガリガリという音に興味をそそられて近づいてみると、一頭のブラックベアが枯れたコットンウッドにしがみついていた。そのクマは、幹に爪を立てて体を支え、樹皮をはぎ落とし、幹に噛み付いて枯れ木を破壊している。噛みちぎっている場所はちょうど僕からは反対側で見えず、クマが雛を口にくわえるまでは、アリの巣を壊しているのかと思った。地上、6~7メートルといったところ。木の根元にはこの春生まれた双子の子グマが遊んでいる。

クマは体を斜めにして左手を樹洞に突っ込み、ついに2羽の雛を捕らえ、口にくわえた。やはりハシボソキツツキだ、というのは後に写真を見たから確認できたのであって、実際には鳥だ!と驚いて撮影するのに夢中だった。先ほどからずっと、頭上でけたたましく鳴き続けていたのが親鳥ということになる。雛はよく巣から顔を出して鳴いているが、その鳴き声が命取りになったらしい。

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母グマが地上に降りると、さっと2頭の子グマが駆け寄った。母グマから雛を受け取り、興奮気味に食べている、らしい。草丈が高すぎて良く見えないが、子グマがウーウーと声をたてる。母グマも、荒々しく息をしながらも鳥の一部を食べる。食べ物の多くを草に頼っているロッキーのクマにとって、鳥という動物性蛋白質はうれしいおやつに違いない。幹に何分もしがみつきながら樹洞を破壊するのはなかなか重労働だが、このおやつは十分な報酬といえるだろう。

一息ついた母グマは、再び木に登った。残りの雛を捕るためだ。左手を樹洞に突っ込み3羽目をゲット。これは木の上で自分で食べる。さらに4羽目を口にくわえてするすると地上に降りて、再びおやつタイム。

そして、またまた母グマが木に登ると、今度は一頭の子グマがすぐに後を追って木に登った。母グマの足元から、幹の反対側を登って頭上へ。子グマは身軽で好奇心旺盛。母グマが何をするのか、すぐ近くで見ている。母グマが最後の1羽を食べ終えてからも、子グマたちは何度もその木に登ったり降りたりしていた。これから成長して独立するまで、子グマたちは母グマを観察し、真似をして、結果として生きるすべを学ぶのだろう。

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june2015_04-05-2(左)クマに入り口を開けられた樹洞の巣
 (右)巣立ちまぎわのハシボソキツツキの雛と親鳥(これはクマが襲ったものとは別の巣)


母グマの様子を妻のKumiがビデオで撮影。You-Tubeで見ることができる。