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2013/02 Coyote

Coyote

13年2月 コヨーテ

食肉目(しょくにくもく)の動物は表情が多彩だ。例えばクマ、イヌ、ネコのなかま。とりわけ社会性の高いイヌ科の動物は、互いの表情でコミュニケーションをはかっている。犬歯を見せつけられれば、怒っているということはすぐにわかるし、寝転んで腹を見せるのが服従の姿勢だというのは人間にもよく知られている。

一ヶ月に及ぶイエローストーンでの撮影最終日、典型的なコヨーテの威嚇の表情、姿勢を間近で見ることができた。エルクの死体の近くで、二頭のコヨーテが出くわしたのだ。実は、僕は視野の狭い望遠レンズでずっと片方を追い続けていたので、写真の一頭が威嚇姿勢で走っているところしか見ることができず、双方が同じように威嚇していたのかはわからない。

突然ファインダーにもう一頭が入り、2~3秒雪の中で二頭がもみくちゃになって、一方が逃げてあっという間にケリがついた。執拗に追いかけないところを見ると、同じ群れのメンバーだろうか。

Coyote

勝者は悠然とエルクの肉をむさぼり、敗者は遠巻きにそれを見つめる。一瞬で勝負がつくくらい、力の差は歴然だったのだろう。敗者復活戦は無し。勝者は時おり、敗者の方に向って歩き、歯をむき出して睨みつける。てめえ、近づいたらぶっとばすぞ、というおっかない顔。

Coyote

Coyote

一時間近くたって、勝者の食事が終了。特盛りの牛丼を二杯ぐらい食べたようなオヤジ然としたそのコヨーテは、ふてぶてしく立ち去った。満腹になってもその場を離れず肉を死守するクマとちがって、コヨーテは潔いのだ。

その後、待ってましたとばかりに、もう一頭のコヨーテが肉塊に喰らいついたのは言うまでもない。