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2016/04 Yellow Skunk Cabbage

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2016年4月 イエロースカンクキャベッジ

この花に人間のような美意識があったら、スカンクキャベッジと名付けられては憤慨するだろう。確かに受粉を促す虫を呼ぶために臭いがあるが、スカンクとはあんまりである。もともとのスカンクキャベッジ(Symplocarpus foetidus)は日本にもあるザゼンソウと同種で、これは確かに相当臭いらしい。この写真の、ロッキーから太平洋岸の針葉樹林にかけて分布する黄色いスカンクキャベッジは別属別種なのだが、そこそこ似ているので同じ呼び名にくくられてしまったのだ。

図鑑では、イエロースカンクキャベッジ(Lysichiton americanus)とか、ウェスタンスカンクキャベッジとなっている。もちろん学名はついているが、アメリカでは標準和名みたいな統一された呼び名がないので不便だ。ちなみに日本人向けのガイドブックなどでは黄色いミズバショウと紹介されている。分類学的には日本のミズバショウと同属だから妥当だし、スカンクよりははるかに好ましい響きがある。

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春を告げる代表的な花は何種類かあるが、ロッキーの西側の、降水量の多い地域ではこのスカンクキャベッジがもっとも華やかだ。惜しみなく黄色の絵の具を重ね塗りしたような花は大きく、しばしば大群落を形成するからよく目立つ。僕は毎年、自宅の庭の雪が消える直前に、お気に入りの群落を見に行く。春を確認するための季節行事のようなものだ。今年は四月上旬。冬の積雪が少なかったから例年よりも半月以上早い。

花の撮影はバックをすっきりさせることと、美しい顔の向きを見立てないとならないから、カメラの位置はとても重要だ。ところが、湿地に踏み込むと生育環境を荒らしてしまうので、点在する乾燥した地面や倒木に踏ん張って、体をかがめ、這いつくばり、ファインダーを覗き込む。近年、体が硬くなってきたうえに下腹に贅肉がついてきたので、ローアングル撮影は息が切れる。時には左手で木にしがみつき、体を水面ぎりぎりに突き出して、アクロバティックに片手持ちでシャッターを切ることも。息が切れる。やはり撮影前にはラジオ体操第一でウォーミングアップが必要かと。

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