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2015/12 Snow Cover

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2015年 12月 積雪

 11月の初旬にカラマツの黄葉が散ってしまうと、山麓の森や草原の風景が寒々しくなる。降った雪が中途半端に溶け、凍り、地面がまだらに見えているからだ。気温はけっこう下がり、地面はカチコチに固まって、なんだか痛々しい感じ。写真家の都合としても、バックに雪が点在するというのはいただけない。そんなわけで、12月になってまとまった雪が降ると、季節の移動が完了したみたいで僕はほっとする。雪はふわふわ。いかにも大地が布団をかぶったようだ。実際、雪には保温効果があるから、カンジキウサギやアカリス、ネズミなどは落ち着くのではないかと思う。

 どばっと雪が積もって、バックがすっきりしてくれると、絵になりやすい。おまけに雪の中の野生動物の写真には「こんな寒くて、雪の深いところでよく生きていられるなあ」とか「がんばってるぅ~」というような、その生存能力や根性を賞賛するキャプションが、たいてい自動的に付随する。かんばって生きているという表現が妥当かどうかはともかく、深い雪のおかげで、動物の野生っぽさが増すことは確かだろう。

dec2015_02-03<左> Snowshoe hare (カンジキウサギ)<右> Red Squirrel (アカリス)

もう一つありがたいことがある。パウダースノーは、足音を完全に消してくれる。とくに林の中では、雪の消音効果は大きい。僕の存在を不必要に目立たせなくてすむから、動物はふだんよりも少し近い距離で素顔を見せてくれる。小動物は、すぐに雪の中に潜って姿を消すことができるから、警戒をゆるめるのかもしれない。

dec2015_04ビッグホーンの子ども