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2015/01 Bird Feeder

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2015年1月 バードフィーダー

12月の半ば、もうブラックベアは冬眠穴から出てこないだろうというころ、ウッドデッキにバードフィーダーを置く。食事をしながらよく見えるように、窓から2メートルくらいのところ。ヒマワリの種を入れておくと、2~3日でカラ類の群れが発見し、その後は1日に何度も来るようになる。

集まる鳥の種類はほぼ決まっていて、たったの4種類。上の写真には、左からマミジロコガラ、ムネアカゴジュウカラ、アメリカコガラが写っている。それにクリイロコガラが加わる。ヒマワリを一粒くわえるとすぐに飛び去り、木の枝の上で殻を割って中身を食べる。すると別の一羽がさっと飛来するという交代制だ。群れて生活しているわりには、互いの翼が接するほど近づくのを嫌い、昼どきの牛丼屋のようにずらりと並んで食べることはない。

カラ類はいわゆる雑食性。夏なら栄養価の高い昆虫などを好むが、冬の針葉樹林では贅沢は言っていられないはずだ。さまざまな植物の種子を捜し求めて、枝から枝へ、幹へ、雪が積もっていないところがあれば地上に舞い降りる。餌のほとんどは双眼鏡で見ていても判別できないくらい小さい。それに比べてヒマワリの種の何と立派なことか。種子の半分が油脂だから、カロリーも高い。このバードフィーダーを初めて訪れた小鳥たちの喜びを人間に例えれば、樹海で遭難して乏しい携行食だけをたよりにさ迷っている時、突然目の前に牛丼屋を発見したのと同じくらいの感激だったに違いない。しかもその日、牛丼は無料だったのである。

jan2015_0234(左)クリイロコガラ (中央)マミジロコガラ (右)ムネアカゴジュウカラ

ところで、フィーダーの写真には目障りな布きれが写っている。僕がガラスを拭いて置き忘れたわけではなく、アカリスが玄関前にあった犬の足拭き布を、持ってきて置いたのである。枯れ草も同じくアカリスの仕業だ。ヒマワリの種はアカリスにとっても貴重なごちそう。その餌を隠すために、彼らは運べるものなら何でも集めてくる。

おもしろいことにその隠し方が不徹底で、餌の独り占めには役立っていない。小鳥たちは、枯れ草の間から簡単にヒマワリを見つける。別のアカリスが接近することがあるが、地上に散乱したヒマワリの殻から、そこに餌があることはすぐにわかってしまう。リスに対する唯一の防衛方法は近くで見張りを続けて、他のリスが来たら猛然とダッシュして追い払うというものだ。というわけで餌を隠す実質的な効果はあまりないように思えるが、枯れ草がフィーダーから落ちると、アカリスは丹念に拾い集め、せっせと運びこむ。隠すという行為で、落ち着くのだろうか。もしも牛丼屋の入り口に「本日2杯目無料」という立て看板があって、そこに自分のジャンバーをさりげなくかけて文字を隠し店に入る男を見かけたら、その心理をぜひ聞き出していただきたい。

jan2015_05枯れ草を運び込むアカリス

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