撮影手記 Photo Note

August 2009 / Pika

August 2009 Pika

09年8月 アメリカナキウサギ

 ナキウサギはふだん、単独で暮らしている。二頭が寄り添っているところは、僕自身見たことがないし、雑誌や図鑑の写真もいつも一頭だ。子育ての巣穴は岩ガレ場の奥、おそらくトンネルのような穴の奥でやはり見ることができないから、もしも寄り添う二頭を見ることができるとしたら、子どもが巣から出て、分散していくまでの期間だろう。

 そんなわけで、今年は7月から8月にかけて、ナキウサギのガレ場に通った。

 日を変え、場所を変え、複数のナキウサギのテリトリーに座っているうちに、彼らの人への警戒心にはかなりの個体差があることがわかった。いくらねばっても5メートルも寄れないナキウサギがいる一方で、望遠レンズの最短撮影距離を越えて近づいてくるものもいる。

 中には、足元においた望遠レンズに近づき、ぺろぺろとなめるナキウサギもいた。僕の手のひらの汗の味が魅力的なのだろうが、よくもそんなことがわかるものだ。

August 2009 Pika Lunch Cr

 結局、ひとつのテリトリーの一部を二頭が共有していることは認められたものの、二頭が寄り添ったりじゃれ合ったりするシーンを見ることはできなかった。単独生活者にスキンシップは不要なのだろう。むしろ潔く子離れ、親離れすることが、生きていくうえで大切なのかもしれない。

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